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  • 2013.10.17 Thursday
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カールじいさんの空飛ぶ家

見た人があまりにも良いと言うので見に行きました。
ネタバレ感想をば。
■ショートフィルム的技法を用いた序盤

 「開始5分で泣ける」と女性2名から聞いていたので期待しておりました。
なるほどうまい作り。
「エピソード」というものをよくわかっていると感じました。
ジブリでいうと、チャゲ&飛鳥の「On Your Mark」のVなんかが近いかと。
言葉で説明しないと決めたときの画力というものがあると思います。ああいうのは、シナリオだけではなかなか表現しづらいですね。そういう力がある人々のある種特権というか。
言ってしまえば、「エリー」の物語は、このたった数分で終わってしまうわけです。
でも、その数分の一見ありきたりな人生には、人を感動させるだけの要素が十分詰まっていて、それが演出や動きの細部だったり、絵の見せ方だったりなわけですね。
特に顕著だったのは、ネクタイを締めるシーンのリピートじゃないでしょうか。
時間の経過を表現する方法はいろいろありますが、夫婦の関係や愛情を表現しながら、時間の経過も行う上手いやり方だと思います。
こういう、短い映像で魅せる技術というのは、音楽のPVから始まって、ショートフィルム、ゲーム演出など、様々な分野に広がっています。その切磋琢磨のなか、世界的に進歩を遂げてきているのではと思います。

■エリーの役割

とまぁ、説明くさい話はさておき、やっぱりエリーがチャーミングですね。
カールじいさんは結局彼女の影を追いかけて、冒険に出たわけですし。
グレンラガンでいうカミナの兄貴が「エリー」の役割です。
彼女の冒険心が、彼のモチベーションになっていきますし、最後カールじいさんが変われたのもまた、彼女のおかげです。

■回復型シナリオ

お話としては、冒険ものには珍しい、欠損の回復型シナリオ。ただし、そのなかで何かを手放し、多くのものを手に入れる構成。
まずはままならない日常と孤独がカールじいさんを襲い、ある日事件が二つ起きます。
一つは立ち退きと傷害の裁判。そしてもう一つがラッセル少年との出会い。
ここで、事件が一つしか起こっていないように見せるのが、このシナリオの上手いところです。
ありそうなことがじわじわと停滞していた日常を駆逐し、追い詰められたところでカールじいさんが決断をする。
そこからカールじいさんの話が始まるわけです。

■カールじいさんのビルドゥングスロマン

最初、カールじいさんはエリーの影である「モノ」に執着します。
家のなかの彼女の面影や思い出を必死で守ろうとします。
それが、一緒に連れてきた鳥がさらわれるところで、鳥よりも家(思い出、モノ)を優先したことをラッセルに非難されたり、エリーのスクラップブックを見たことから、本当に守りたいもの、本当に手に入れたいものは何なのか、改めてカールじいさんは気付きます。
これも、前段のエリーの描写があればこそ、エリーに執着するのは無理からぬことだなと思うのがまずあって、それでもエリーのことを本当にわかっていれば何を選ぶのか、ということもよくわかる上手い構成。
「主人公の成長」というのは、「ビルドゥングスロマン(成長物語)」として基本ではあるんですが、「じいさんだって飛べるんです」のキャッチ通り、じいさんが成長をする物語なわけです。
老人が自ら成長する話というのは、ちょっと珍しいかもですね。

■言わずの美学

実はこのスクラップブックには続きが・・・的な魅せ方は、王道だけどちょっと卑怯ですねw ステーキの上にフォアグラ乗っけるようなもんですw
セリフに落とさなくとも、「私にはあなたとの毎日が冒険の日々だったのよ」という魅せ方は、もうどうしようもなく良いです。
こういう、言わずの美学がよく出てる作品だと思いますし、だからこそ、国際的にも評価されるんだろうなと思いました。

■エンディングをどこまで描くか

エンディングにその後のエピソードがつづられているのも良いですね。
結局ラッセル少年の父親が出てこなかったりするのが、なにげにシビアだなとも思いましたし、カールじいさんが亡くなるまではやらないんだ、とも思いましたけど。

■ディズニーの画

今回のカールじいさんだけでなく、ディズニー全般ですが、人間を人間の形に描き過ぎないということが、一つポイントになっているような気がします。
もちろん、現実と切り離すための装置というのはありますが、物語や雰囲気に合った形状にするということを意識しているんだと思います。
その意味で、日本の「ほったらけの島」は、その対極になれた気がします。

■「時間」と「老人」のマッチング

アルバムというものは、「過去」のものです。
そこにある「思い出」は、振り返ったもので、「今起こってる」ものではありません。
とはいえ、「現在」というものは、「過去」が積み上げられた先にあるものです。
なので、「現在」のよすがとしての「過去」を上手く描くことで、「現在」にフィードバックできるということと、感動を誘うには、物語内時間を経過させたエピソードが効果的に作用するため(幸せを時間をかけて積み上げれば積み上げるほど、壊れたときの悲しみは大きくなる)そのメリットを「老人」というところで最大限活かしています。
それは、時間経過だけでなく、過去と体面したときの親和性というかたちにも。

というわけで、いろいろと工夫されて作られているなと思いましたし、感動しました。
さすがPIXER。お見事です。



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  • 2013.10.17 Thursday
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